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2種類の応対術で感情労働は行われる

感情労働とは?問題と対策を知る

感情労働は大きく分けて2種類ある

感情労働は大きく分けて「表層演技」と「深層演技」の2種類があります。それぞれどういったものか、詳しく見ていきましょう。

感情労働は大きく分けて2種類ある

仕事上の自分

誰しも、職場に出れば「その職場で働く人」を演じます。程度の差はありますが、仕事上の顔とプライベートの顔は異なることがほとんどでしょう。例えば、仕事では常に笑顔を絶やさず振る舞っている看護師でも、自宅に戻れば無口で淡々と過ごしている、といったケースも少なくありません。社会学者のアーリー・ラッセル・ホックシールドは、感情労働について2つの分類を定義しています。

表層演技

表層演技とは、自分の内面にある感情に関係なく、表面的な演技で感情を表す応対術です。心の底でどう思っていようと、相手に不快感を与えないよう、表情や立ち振る舞いなどを意識して対応します。アーリー・ラッセル・ホックシールドは、表層演技について俳優の演技を例に挙げています。本来の自分の感情ではなく、役柄の感情を表出するという点で共通しています。事実、サービス業では表層演技に関する研修や練習が行われるケースも少なくありません。感情労働を行う際のテクニックとして有効ですが、ストレスの原因にもなるため、メンタルヘルス対策は必須です。

深層演技

深層演技とは、自分の感情を状況に適したものに変化させ、自然とそれに伴うように表出する応対術です。「自分の本来の感情を表層演技で表出する感情に近づける」とイメージすると分かりやすいでしょう。心から誠実に対応しようという意識を持ち、対応するテクニックです。例えば、客室乗務員の現場では深層演技が求められており、適切なサービスを提供できるようにトレーニングが実施されます。

どちらが消耗するのか

精神的なストレスの大きさについて考えた場合、表層演技と深層演技はどちらが消耗するのでしょうか。この点については、意見が分かれます。
まず、表層演技は本来の自分と仕事上の自分を切り分けているため、ストレスが少ないという意見があります。しかし、明確に切り分けているからこそ、感情の不一致に苦しむケースも少なくありません。一方、深層演技は本来の自分と仕事上の自分を近づけるため、双方の感情が不一致の場合は感情のコントロールが難しいという意見があります。しかし、感情の不一致に違和感を持たないようにできればストレスは少ないとも考えられます。
このように、感情労働には高度な感情のコントロールが求められます。本来の自分と仕事上の自分の間に隔たりがあり、それが常態化するとより危険な状態に陥ってしまいます。

ストレスに潰されないために

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