感情労働はストレスを受けやすい働き方なので、対策をせずにいるといずれ限界を迎えてしまいます。そのため、メンタルヘルス対策に取り組まなければなりません。感情労働に潜むリスクや仕事をする上で求められるテクニックを理解しましょう。従業員を守るために、企業に求められる取り組みも紹介します。従業員のストレス度を定期的に把握する機会を設け、各種制度・研修を導入しながら、健康的に働ける環境作りをしていかなければなりません。
感情労働は直接人と関わる仕事なので、相手から感謝される機会も多く働きがいがあります。充実感を得られるのはメリットですが、一方で問題点もあります。感情労働は仕事で受けるストレスを回復しにくいという特徴があり、自分の感情を押し殺さなければならない場面も多く、これによって精神的な不調に陥るリスクが高まります。
感情労働では「表層演技」と「深層演技」の2つの応対術を活用しながら業務に取り組みます。表層演技とは、内面の感情に関係なく表面的な演技で感情を表す応対術です。一方、深層演技は自分の本来の感情を表層演技で表出する感情に近づける応対術です。どちらも高度な感情のコントロールが求められる重要なテクニックです。
感情労働はストレスが大きいため、企業は従業員のメンタルヘルス対策に取り組まなければなりません。産業医を配置し、うつなどの早期発見や未然防止に努める必要があります。また、社内での教育を徹底し、従業員の状況を日常的に把握した上で環境改善に取り組む姿勢が求められます。何より、従業員が相談しやすい環境であることが大切です。
従業員を感情労働によるストレスから守るための仕組みや組織作りが求められます。そこで必要なのが、ストレスチェック制度やアンガーマネジメント研修の導入です。ストレスチェックを定期的に行うことで、従業員本人も自らの状態を把握できます。また、アンガーマネジメントを学べばそもそもストレスを受けにくくなります。
ストレスでうつになってしまったら、仕事を休む必要があります。労災認定が下りれば、療養補償給付か休業補償給付を受給できます。労災申請の手順を紹介するので参考にしてください。また、相談窓口を積極的に活用しましょう。
ストレスに悩んでいる人は、個人で行えるメンタルヘルス対策に取り組みましょう。ストレス解消のために、仕事のことを忘れられる時間を作ってください。完璧を目指さず、だらしない自分を受け入れることも大切です。
ストレスに潰されないために、まずは自分がストレスを受けやすい環境にいることを理解しましょう。感情労働は働きがいのある労働スタイルです。だからこそ、その裏に潜むリスクについても理解しておかなければなりません。